2014年07月10日
間接経費
皆さん、こんにちは!!
今週は季節はずれの台風が日本列島を直撃し、梅雨前線と合間って各地で深刻な被害が続出してしまいました。
被害に遭われた地域の方々には、心よりお見舞い申し上げます。
この時期に台風が上陸すると云う事は、数十年前であれば有り得なかった事です。
昨日と今日の変化は見た目にはわからない訳ですが、着実に日々刻々と気候は変化している様です。(私達の取り巻く経済環境も同じです…)
まだ、暫く梅雨も続きますので、呉々もご注意下さい。
さて、話は変わりますが、私達の会社では、財務・経理をTKC 加盟の会計事務所にお願いしています。
20万社超にも及ぶ中小企業の膨大なデータから、黒字企業や優良企業の指標が提示されます。
私はその各々の項目数値が、世間の基準から下回っている項目にはメスを入れ、まずは黒字企業指標を、そして次に優良企業指標を上回るべく対策を打ち実行して行く訳です。
そして、管理会計の元、月に一度、月次の進捗を検証し、改善すべきは改善をし、次月へ向かう、これを繰り返しながら経営をしています。
世間一般の黒字企業・優良企業の目標数値を提示して頂けますので、ゴールが明らかになり、また、それを達成するにはどうすればよいか?という解決策も具体的に練る事が出来るのです。
何事も同じですが、自己基準や社内基準では、井の中の蛙で、世間の一般基準としてどうなのか?が見えません。
そこを分からず進むという事は、自己満足やお山の大将と一緒です。
人も企業も世間で一般的に認められている基準を目標にして進んで行く事で、達成速度も早くなり、それらをクリアすれば、文字どおり世間でも認められる人材や企業になって行くものだと考えています。
その、TKC の数ある財務指標の中で重要な指標の1つに労働分配率という項目があります。
これは、全社員で稼いだ粗利益(売上総利益、限界利益)から、どれ位を人件費に支払っているのか?という指標です。
これが、重要視される理由は、経費(一般管理費)の中で人件費がダントツに比率として高いからです。
だから、効率の良い考動をし、各々のポジションで結果を出してもらわなければならない訳です。
沢山、給与を出してあげたい、しかし、結果が伴わない状況で、やみくもに出し過ぎてしまうと労働分配率が高くなり、経費増を招き、経営を圧迫する事に繋がってしまうのです。
そうなれば本末転倒になりますので、TKC としては1つの重要な指標としてチェックする事になっています。
全員で稼いだ粗利益から必要な経費(人件費を含む)を支払って営業利益となる訳ですが、その経費の項目は会社によって若干違いはあるものの大体約20項目位です。
その内の人件費は経費の約50%を占めます。
その他の項目は大体1%~10%までですので、人件費の比率は群を抜いているのがわかります。
だから、会社は結果の出せる人材を教育・育成しながら、利益に直結した効率の良い活動をして頂く様に、経営者も管理職の人達も心掛けて、社員の方々に指導をして行く必要がある訳です。
私の人件費に対する基本的概念は「労働分配率を低く、しかし社員の給与は高く」という事です。
矛盾???
一見すると、相反する事を言っている様に聞こえるかもしれません。
安直に考えれば、給与を低くすれば、それだけ支出が減り、労働分配率は下がります。
しかし、その会社や社長だけが良かったらいいというモノではありません。
「企業は人なり」という様に、成長を促す為にも、モチベーションをあげる為にも、そして私達会社の理念である、社員達の生活の向上を実現する為にも、社員達の給与は高い方が望ましいと、私は考えています。
では、どうすれば、給与を高くしながらも労働分配率を低くする事が出来るのでしょう?
答えは簡単です。
少ない時間で、大きな成果を出す事です。
まずは、意識をして、これを心掛けて考動しなければなりません。
そして、その為のマニュアル・ルール・スキームを整備してマネジメントするだけです。
あとは、それぞれの役職や立場に応じて、相応の利益という結果を残さなくてはなりません。
役職の高い人は、当然給与も高い訳ですので、その人が相応の利益という結果を出さないと、大幅に労働分配率を押し上げてしまう事に繋がります。
そして、もう1つ。
原価意識です。
直接経費は誰もが意識すると思いますし、それぞれの会社によって、利益率の設定や予算枠を設け、それなりにチェックしている筈です。
これは、更に精度をあげる事に勤めれば良い訳ですが、問題は間接経費です。
直接経費は数値で示されますが、間接経費は数値では現れません。
そして、この間接経費こそ、人が動く事で発生してしまう一番高価な経費だという事を認識しなければなりません。
間接経費は出来るだけ直接経費に振り替える様にする(原価に組み入れる)
マニュアル・ルール・スキームを構築し、出来るだけ簡単に時間を掛けず誰にでも行える様に(こうすれば高い給与の人がしなくても、バイトでも行える様になる)マネジメントする。
これらは、当たり前の様にどこの企業でも行っています。(例えば、ユニクロの店舗でも正社員は僅かで、高いレベルの仕事までバイトが行っています。それだけ、マニュアル化が進み、マネジメントが行き届いています。だから、利益を生み出せるのです。)
「私達が動けば高い」この原価意識を強く持たない限り、間接経費は駄々漏れになり、一生懸命仕事をしても利益という結果が出る事はありません。
マニュアル化・ルール・スキームを構築する事で、作業や業務は任せる事ができ、私達は本来しなくてはならない利益に直結する仕事に時間を割くことができるのです。
誰もがこの様な意識を持ち真の仕事をする事で、無駄な間接経費は無くなり、動けば動く程、利益が上がる方向へ進むのです。
そして、これらの間接経費の問題は、日々至るところで発生する可能性があります。
特に上長が原価意識を高くし、チェックを怠らない事が肝要です。
そもそも、それ以前に、それぞれの仕事に携わる方々も「無駄な事は無駄」「おかしい事はおかしい」と感じなければ、何事も始まらないという事も肝に銘じておかなくてはなりません。
信越化学工業株式会社の金川会長は次の様な事を仰っています。 「何かおかしいと感じ、ではどうすべきか?と考える事が発展に繋がる。おかしいと感じなくなったら、もうおしまいだ」と。
金川会長は、ここで、問題意識の重要性を言われています。
「おかしい事」を誰もが「おかしい」と気付かず、一生懸命仕事をしていても何も良く成らず、みんながしんどい思いをするだけです。
その様な、問題意識を持たない日々の業務や目先の仕事を処理しても、決して人も会社も発展には繋がりません。
特に今の時代、業務や作業だけを行い注文が2倍になる事は、100%有り得ないのです。
であれば、営業活動・業務・作業など「私達が動く時」如何に間接経費を削減する為に、その時間を短縮する事ができるのか?を真っ先に考えて動かなくてはならないのは必定なのです。
その中に潜む「おかしい事」を「おかしい」と感じなくてはなりません。
そして、それを解決して行くのが仕事であり、発展へと繋がるのだ、という訳です。
至極ごもっともな言葉だと思います。
営業活動をする上でも、業務や作業を行う上でも、その他、自身が動かなくてはならない場合、問題意識、原価意識を強く持つ事で、無駄な「目に見えない一番高価な経費」間接経費は無くなります。
そうなれば、全員がより利益を生み出せる方向に進む事になり、発展へと繋がって行くのです。
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